2024.11.01
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借地権ってなにぃ!???
借地権とは、建物所有を目的とする土地賃借権と地上権をさします。
「所有」から「利用」へと言われて久しく、重要な財産である土地、とりわけ宅地を所有することはもちろん、貸し付けることで有効利用することは古くからある形態です。
土地を借りることを借地行為と言い、借地行為は単なる賃借権であり、物件のような強固な権利ではありませんでした。
そのため借地する者の権利は極めて不安定なものであり、借地権設定者(地主・底地人とも言う)の恣意で契約更改や解除が行われることが多かったのです。建物を所有していても、その敷地に対する権利が無ければ、地主の意向により理不尽に立退きを迫られることもある。
借地人は建物及び敷地を恒常的に利用する権利を確保したい、地主はできるだけ物件的権利の設定は避けつつ安定的な地代収入を確保したい、という思惑のせめぎあいの結果、民法の規定における「賃借権」の枠を超えた立法が必要となったわけです。
先ず、建物所有者の保護及び権利が強く言われるようになり、1909年(明治42年)に「建物保護に関する法律」が制定され、建物保護法では、借地上の建物を登記することにより、第三者に対する対抗要件を備えることとなり、借地人の地位が保護されることとなり、単なる賃貸借から外れ、地主の勝手な土地処分からも免れることとなりました。
次に、権利が保証されていても、その存続期間を何年とするか、期間が満了した時の借地人の保護をどのように考えるか、又は建物が消滅した場合の借地人の権利をどうするかという問題があります。
そこで、借地人の権利の強化のために、1921年(大正10年)に「借地法」が制定され、借地権の存続期間は、堅固な建物は30年、それ以外は20年。契約期間の定めがないものについては、堅固な建物の所有の場合60年、それ以外は30年としました。また期間満了時に建物が存在している場合は、借地人が地主に対して借地契約の更新を請求した場合は、同一の条件でさらに借地権を設定したとみなす等、借地権の存続期間の延長が図られることとなりました。
広大な土地を所有しているだけでは何も生み出さず、維持費の負担のみが生じるため、戦後になって土地を貸し付けて地代という確実な現金収入を得る地主が増加した一方、経済の成長と共に地価が上昇し、借地権者の権利も増幅することとなり、普通の借地権については、期間が満了しても、地主の自己使用の必要性などの「正当事由」が認められない限り、借地契約の更新を拒絶できないとされ、事実上、一度貸したら返ってこない状況にあり、地主にとっては好ましいことではなく、この問題が新たな借地契約の締結を阻害することとなり、宅地の供給が減少してきました。そこで借地や借家に関する権利義務を見直し、1991年(平成3年)に「借地借家法」が制定されたわけです。
借地借家法では定期借地権の創設等の変更も加えられ、時代に即したものとなりました。
現在、流通している借地権契約の形態は、
○旧借地法による借地権(旧法借地権と呼ばれることが多いです)
○普通借地権
○定期借地権等
の三種類になります。
定期借地権等には事業用定期借地権・一般定期借地権・建物譲渡特約付借地権がありそれぞれに要件の違いがあります。