2024.11.14
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特定生産緑地ってなに!?
生産緑地法改正により生産緑地指定から30年経過が近づいた農地について、農地として保全することが良好な都市環境のために有効であるものを市町村が特定生産緑地として指定し、買取りの申出をすることができる時期を10年間先送りにするという制度です。
つまり、指定から30年が経過した生産緑地は特定生産緑地の申請をして特定生産緑地に指定されると10年ごとに更新されることになります。これにより、30年経過後の買取りの申出を減少させ、農地保護機能を強化することを意図しています。
特定生産緑地に指定されるということは、買取りの申出までの期間が延長されるとともに、固定資産税の減額の効果も延長されます。
また、納税猶予に関しては特定生産緑地に指定されないと利用できません。
すでに横浜市では、生産緑地の所有者様には特定生産緑地の申請に関する申請書などが送られており、申請の提出期限は過ぎており、1992年11月に生産緑地指定されたものは、特定生産緑地申請で指定されると2022年11月から特定生産緑地となります。
2021年5月現在、生産緑地の約8割が特定生産緑地の申請をしているというニュースを見ましたが、びっくりです。
特定生産緑地は、生産緑地の優遇制度は引き継げますが、その利用は10年間塩漬けになります。
つまり、営農後継者が居ない生産緑地所有者様にとっては問題の先送りに過ぎず、これから農地に限らず不動産を取り巻く環境(人口減少・空き家増加等)を考えると10年の先延ばしは、リスクを増加させる可能性があると考えます。
例えば、現在高齢化社会に向けて特養の整備計画が計画通りに進んでいない状況です。
生産緑地法第3条には、生産緑地指定の条件として「・・・・・・、かつ、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものであること」とあります。
つまり、需要と供給が一致すれば、特養の用地として地方自治体や社会福祉法人施設(特養)に貸せるということです。
営農する必要はありません。
わが国にとって避けられない超高齢社会の「2025年問題」が近づいている今の状況であれば、需要と供給が一致する確率も上がります。
しかし、やがて超高齢社会も収まります。おさまった段階では需要と供給が一致する確率は下がってしまいます。
また、特定生産緑地指定の決定権者は市町村であり、場合によっては不本意な決定を余儀なくされるおそれもありますので、本来、所有者としては、所有する生産緑地をどう扱っていくかという点に関し、30年経過が近づく前に、当該農地についてどのように扱うべきか検討していく必要があります。
既に特定生産緑地の申請が8割とのことですので、都市農地である生産緑地を今後どう活用していくのか、相続時の対策など専門家を交えて検討しておくことが大切になりそうですね。
横浜市・川崎市・湘南エリアの生産緑地のご相談は「不動産のかけこみ寺」のRworks株式会社にご連絡ください。