2024.11.28
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地主さん必見!底地(貸宅地)の有効活用
地主さんが借地人に貸している貸宅地のことを我々不動産業者はよく底地と呼んでいます。なぜかというと、借地権のイメージがしやすいからです。
簡単なイメージは、「借地+底地=所有権の土地」という具合です。
所有権の土地の権利を100%とすると、借地権割合60%の土地の底地割合は40%ということになります。
例えば、更地価格(所有権の土地)が3000万円だとした場合、借地権価格が1800万円、底地価格が1200万円ということになります。
都会に行けば行くほど借地権割合が高くなる傾向です。
財産評価の割合では地主さんの財産価格の方が低いのが底地ということになります。
ただ、借地権割合というのは財産評価の割合ですので、有効活用する際には借地人さんと協議してその割合を多少変更するくらいはできますが、財産ですので大きく主張しすぎると贈与などの問題が発生しないとも限りませんし、借地人の協力も受けられなくなる可能性がありますので、無茶な主張は控えた方が得策だと考えます。
地主と借地人は長い契約期間の付き合いですが、地主も借地人も代が変わっていることが多く、地代の支払いの際に顔を合わせるくらいで、振込みなら顔を合わせることもないでしょう。それでも、底地の有効活用には借地人の協力が欠かせませんので、慎重に交渉するようにしてください。
では、底地の有効活用とはどのようなものでしょうか。
大きく分けて4つあります。
① 底地と借地の交換です。
大きな土地を貸していて敷地が余っているようなときに、借地と底地を等価交換して敷地の一部を所有権に戻すことです。
所有権に戻った土地は、地主が自由に利用できるようになります。土地を貸すのではなく、アパートを建てて部屋を貸すなどなど。
② 底地と借地の同時売却です。
特に借地権者が借地権の売却を考えているような場合はチャンスです。正直いって借地で貸している土地の収益性は高いとは言えません。いっそ売却して、その資金で借地以外のことをやるのも良いかもしれません。購入する側からすると底地と借地を同時に購入するということは所有権の土地を購入するのと同じですので、更地価格で売ることができ、結果的には底地・借地をそれぞれ単独で売るよりも良い価格での取引になりやすいです。
あとは、借地人とどのような割合で分けるのか決めるだけです。
登記上は地主が土地を所有者となっているので、地主側が自分のものだから自分の方が多くて当たり前みたいなお話をする方がいます。
所有権とは、物の全面的支配すなわち自由に使用・収益・処分する権利です。
借地契約期間中は使用できないんですよ。
つまりは、借地権が付いていて所有者が利用することができない土地を所有しているといった方がわかりやすいかもしれません。
忘れることのないように借地人と調整しましょう。
③ 借地権の買取りです。
これも借地権者が譲渡を検討している場合は、借地権を買い取って所有権の土地にするチャンスです。
もともとは俺の土地だなんて主張したらダメですよ。借地権は立派な権利です。
仮に年間固定資産税が15万円の土地で、地代が固定資産税の3倍で設定していたら地代は年間45万円です。借地人は40年間借りていたら1800万円もその土地に資本を投下したことになりますし、その間に最低でも1回は更新料も発生しているかもしれません。2000万円弱を支払っているわけです。
借地権者がヘソを曲げないようにうまく交渉しましょう。
④ 底地の売却です。
正直な話し、借地権者がいて利用できず、地代が入るとしても収益性が低い底地を一般の方が購入するのは現実的ではありません。
一番は借地権者が買ってくれる事が理想的です。
借地権者も買いたくても買えない事情があるかもしれません。
そうなると現実的には底地買取りを行っている宅建業者に売却することになります。
中には、有効活用なんて考える余裕がないから借地契約が続いてくれればいいと考える地主さんもいらっしゃるでしょう。
そんな中、借地権者が「借地を譲渡(売却)したいから譲渡承諾をお願いします!」と言ってきたらどうしましょう。
そんな時に、「譲渡は承諾しない」「借地を返してくれ」「建物解体して更地で返せ」などと言ってはいけませんよ。
言ってしまう地主さん多いのですよね・・・。
現在流通している借地権のほとんどが旧借地法による借地権です。
旧法借地権なんて呼んだりしますが、平成4年7月31日以前に締結された借地契約に基づく借地権です。
今とは違って、契約書も大雑把だったりしますので、契約の内容に更新料・譲渡承諾料・増改築承諾料などの条件が入っておりません。
つまり、地主さんにとっては良い状況ではありません。
ただ、借地契約は続けたいけど借地権者に契約条件変更を申し出てもなかなか話がまとまらないなんてこともあるでしょう。
そんな時に、借地権者が借地権を譲渡したいと相談に来たら、まず原契約には譲渡承諾料の記載が無くても、譲渡承諾料の交渉です。一般的にはその土地の借地権価格の10%程度が目安になります。前記の有効活用のチャンスでもありますが、そのまま借地として貸しておきたいのでしたら、譲渡承諾料の交渉と、譲渡承諾を出す代わりに新たな借地権者にはキッチリとした契約書を作成し、地代の計算方法・更新料・譲渡承諾料・増改築承諾料の金額計算根拠の入った契約書で契約し直すことができます。
その条件を現借地人に伝えて売却してもらえば良いのです。
ただし、収益性の低い借地契約を続けずに前記4つの有効活用を検討する方がお勧めではります。
そして借地の有効活用を検討したいと考えたら、借地の取扱いが豊富な人・会社に相談することが大事だと考えます。
大手の不動産会社は、借地は面倒で時間が掛かり、実入りも少ないということで本気で対応しないケースも見受けられます。
しかし、疎遠になってきた借地人と直接交渉するよりは、間に第三者を入れた方が良い場合もありますので、借地人との関係性を慎重に判断するようにしましょう。
借地契約については地主側も借地人側も知識がない、あるいは、誤った理解の中で長い契約状態を続けている場合がとても多いです。
地主・借地人が直接話をすると、話が嚙み合わず、話がまとまらず、責任は相手側にあると一方的に主張することが意外と多いのです。
こうなると、なかなか前向きなお話はできなくなります。自分の代で解決できなければ次世代になっても解決できないわけです。
解決していない借地を相続して相続税を払わなければならない相続人も迷惑なわけです。
借地に限らず、所有不動産に問題があると考えたら自分の代で解決することを考えるべきです。
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