2024.12.12
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空き家で火災が発生する原因とは?対策と所有者の責任についても解説
この記事のハイライト
●空き家で発生する火災は「放火」によるものがもっとも多い
●定期的に空き家の管理をおこなうことで火災のリスクを軽減できる
●放火であっても管理不足により重過失とみなされた場合は所有者が責任を問われる
空き家を所有している方のなかには、「火を使うことがないから火災の心配はない」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし空き家から出火するのは珍しいことではなく、万が一近隣住宅に延焼すると、所有者が大きな責任を負うことになるかもしれません。
そこで今回は、空き家で火災が発生する原因や、火災を防ぐための対策、所有者の責任について解説します。
横浜市や川崎市、湘南で空き家を所有している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- ・1. 空き家で火災が発生する原因と発生しやすい空き家の特徴とは?
- ・2. 空き家で火災が発生するのを防ぐための対策
- ・3. 空き家で火災が発生したら所有者の責任はどうなるのか
- ・4. まとめ
空き家で火災が発生する原因と発生しやすい空き家の特徴とは?
だれも住んでいない空き家でなぜ火災が発生するのか、まずはその原因や火災が発生しやすい空き家の特徴について解説します。
空き家で火災が発生する原因
主な原因として考えられるのは、以下の4つです。
- ・放火
- ・タバコのポイ捨て
- ・ガス漏れなどによる爆発
- ・配線機器のトラブル
空き家で起こる火災の原因でもっとも多いのは「放火」です。
空き家は人目につきにくいことから放火犯に狙われやすく、また発見が遅れるため、大きな火災になるケースが少なくありません。
また不法投棄の現場になることも多く、ポイ捨てされたタバコからゴミなどに燃え移ることもあります。
ガス設備や電気配線が劣化している空き家も多く、ガス漏れによって爆発したり、漏電したりして出火する可能性もあるのです。
火災が発生しやすい空き家の特徴
火災が発生するリスクが高いのは、以下のような空き家です。
- ・人通りが少ない立地にある
- ・玄関や窓を施錠していない
- ・家の周囲にゴミが置かれている
- ・庭の草が生い茂っている
人の目を気にせず、簡単に家のなかに入れる状態の空き家は、犯罪者の拠点にもなり得ます。
また空気が乾燥する時期には、周囲にあるゴミだけでなく庭の草も燃えやすくなり、小さな火種でも燃え広がる恐れがあります。
このように、戸締りや清掃などがなされていない、放置されている空き家は、火災が発生する恐れがあるため、早急に管理をおこなうなど対策を講じることが大切です。
空き家で火災が発生するのを防ぐための対策
放火やタバコのポイ捨て、漏電など、空き家の主な出火原因と、火災が発生しやすい空き家の特徴について前章で解説しました。
放置された空き家は危険であるため、所有しているあいだはしっかりと管理を続けることが大切です。
そこで次に、空き家で火災が発生するのを防ぐためにはどうすれば良いのか、対策方法について解説します。
空き家の火災を防ぐためには、放置せず、定期的に管理をおこなうことが大切です。
だれも住む予定がないのであれば、売却して処分することをおすすめしますが、すぐに決断するのが難しい場合は、以下のようなことを実践して管理をおこないましょう。
- ・空き家の周囲や庭をきれいにしておく
- ・自動照明を設置する
- ・しっかりと戸締りをして不法侵入を防ぐ
- ・管理人がいることをアピールする
- ・ご近所さんに連絡をお願いする
それぞれの対策方法について解説します。
空き家の周囲や庭をきれいにしておく
火災が発生するのを防ぐためには、まず空き家の周囲に燃えやすいものを置かないことが大切です。
空き家の周囲に雑誌やゴミなどを放置している場合は処分し、定期的に庭の手入れもおこなってください。
ダイレクトメールなどが届き、ポストから郵便物やチラシなどがあふれているケースもあります。
管理に訪れた際には、ポストのなかも忘れずにチェックしましょう。
自動照明を設置する
放火犯に狙われるのを防ぐ対策として、人の動きに反応して自動で照明が点灯する、人感センサーつきの電球を装置するのもおすすめです。
敷地内に侵入した放火犯を照らし、近隣住民や通行人にも不審者の存在を知らしめることができます。
しっかりと戸締りをして不法侵入を防ぐ
玄関や窓などに鍵がかかっておらず、簡単に侵入できる状態では、放火や不法侵入を防ぐことはできません。
すべてのドアや窓を確認してしっかりと戸締りをし、門扉などがある場合は施錠をして不法侵入を防ぐことが大切です。
管理人がいることをアピールする
定期的に訪れる管理人がいる物件は、放火犯などの犯罪者から敬遠されやすくなります。
したがって、業者名や連絡先などを記載した看板を設置しておくのがおすすめです。
ご近所さんに連絡をお願いする
ふだん空き家に住んでいない所有者は、なにか異変が起きても気づくことができません。
とくに火災は、対処が遅れると被害が近隣にも広がります。
そこで、なにか変わったことがあった場合は連絡をもらえるように、ご近所さんにお願いしておくことをおすすめします。
そのためには、管理に訪れた際に挨拶に行くなど、良い関係を保っておくことが大切です。
空き家で火災が発生したら所有者の責任はどうなるのか
空き家の管理をおこない、火災が発生しないように対策を講じても、火災が起きる可能性がゼロになるわけではありません。
では万が一火災が発生した場合は、どうなるのでしょうか。
そこで最後に、空き家で火災が発生したときの所有者の責任について解説します。
失火の場合は責任を問われない
民法で定められたルールに従うと、本来、空き家が原因で近隣の住宅などに被害が及んだ場合、空き家の所有者が損害賠償責任を負う必要があります。
しかし火災については「失火責任法」で、失火の場合は民法が適用されないこととしています。
火災は大きく分けると「故意に発生させるもの」と「過失によるもの」に分けられ、失火とは「故意」ではなく「過失」によるものです。
失火責任法では、火災が失火の場合、近隣への損害賠償を免除されます。
たとえば空き家が火元となって火災が発生し、近隣に被害が及んだとしても、失火であれば所有者は責任を問われないということです。
重過失と判断されると責任を問われる
先述のとおり失火の場合は責任を問われないことになっていますが、失火責任法には「重大な過失がある場合は除く」という記載があります。
つまり、空き家の火災で重過失と判断された場合、所有者が責任を問われるということです。
重過失と判断されるのは、主に空き家の管理不足です。
たとえば空き家の管理を怠ったことによって電気配線が劣化し、ショートして漏電火災が起こった場合、所有者の管理不足だと判断される可能性があります。
そうなると、失火責任法の「重大な過失がある場合は除く」に該当し、所有者が責任を問われる場合があります。
また、放火など第三者のせいで起きた火事については、本来所有者に責任はありません。
しかし戸締りをしていなかった、燃えやすいゴミが放置されていたなど、空き家を管理していなかった場合は、重過失と判断される可能性があります。
その場合、放火であっても「容易に放火できる状況をつくった」とされ、所有者が責任を問われることになります。
空き家の火災リスクを減らすためには、しっかりとした管理が重要です。
しかし、火災リスクがゼロになるわけではないため、早めに売却して処分することを検討されてはいかがでしょうか。
まとめ
だれも住んでいない空き家であっても、火災が発生する可能性があります。
空き家の火災を防ぐためには、しっかりと管理をおこない、放火犯などに狙われないような対策を講じることが大切です。
とはいえ、火災が発生するリスクを抱え続けることに変わりはないため、空き家を将来活用しないのであれば、売却して処分することをおすすめします。
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