2024.11.07
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借地権の更新拒絶とは?
○旧借地法による借地権の場合
地主が借地契約を期間満了で終了させたい場合に、㋐借地権者からの更新の請求に対して異議を述べる、㋑契約期間満了後も借地の使用を続けている借地権者に対して異議を述べる、㋐㋑によって借地契約を期間満了で終了させることを言います。
そして、地主の異議に正当事由が認められると、借地契約は更新しないで終了します。この正当事由は、地主の事情と借地権者の事情を比較して決まります。
ただし、借地権者に地代の不払いや無断転貸などの契約違反があれば、期間満了を待つことなく契約解除できます。
借地の更新の場合は、更新を希望する借地権者が地主に対し「更新の請求」をする必要があります。
「更新の請求」の時期は法律で決められていませんので、直前の満了まで可能と考えられます。
この「更新の請求」に対して地主側が更新したくない場合に「異議を述べる」ことができます。この意思表示は借地権者に伝えれば足りますが、その意義に「正当事由」が無いと法定更新することとなります。
この「異議を述べる」ことを「更新拒絶」と言います。
「異議を述べる」という意思表示は、遅すぎるとダメですので遅滞なく述べる必要があります。
「更新の請求」に対しての返答は、地主も検討の時間が必要ですので2か月くらい後に異議を述べたからと言って遅滞があるとは判断できません。
期間満了後も借地権者が土地の使用を続けている場合には、すでに期間満了しているわけですから、更新についての地主の考えは決めているはずですから期間満了後速やかに異議を述べなければなりません。
『正当事由とは』
基本的には「地主と借地権者の双方が、それぞれの土地を必要とする事情」を比較することになります。
地主側で「土地の使用を必要とする事情」がなければなりません。
この土地を必要とする事情で判断できない場合に、その他の事情や立退料などで正当事由を判断します。
新法(借地借家法)では、地主・借地権者が土地を必要とする事情のほか、従来の経緯や土地の利用状況、そして、地主側から借地権者に提供する立退料の額で正当事由を決めると書いてあります。
いくら高額な立退料を積んだとしても、地主側に土地を必要とする事情が認められない場合には「正当事由」は認められません。
つまり、地主側に土地を必要とする事情があり、それに立退料を加えると契約終了にしてもいいだろうと判断できる場合でなければ、契約の終了は認められないということです。
これは旧借地法の正当事由の解釈でも同じ解釈をすることとなります。
「正当事由」が認められるには地主の土地の必要性が必須のためなかなか認められないように感じますが、「正当事由」が認められたケースはありますので、専門家に相談してみてください。
次に、「借地権者の土地の必要性」です。
当然、地主・借地権者の土地の必要性を比較するのですので、更新するには借地権者にも必要とする事情があります。
借地権者の土地の使用の必要性とは、「借地権者自身が借地を使用している」・「借地権者と実質的に同視できる者が借地を使用している」場合になります。
特に土地の必要性が認められない場合は「借地上の建物が空き家になっている場合」です。
契約期間の途中なら地代を払っていれば問題ありませんが、満期になり、地主が更新拒絶した場合には、借地権者側に土地の使用を必要とする事情がないことになります。
また、借地権を売りたいと考えている場合も、契約期間の途中ならいいのですが、満期になり借地権を売りたいというのは、借地権者が自ら「借地を使う必要がない」と言っているのと同じになります。
よく、借地権は半永久的に更新できると言われますが、必要性がなくなってまでも更新が認められるものでもありません。
借地権・底地のご相談は「不動産のかけこみ寺」のRworks株式会社までお気軽にご連絡ください。